ネームプレートの廃止
今学期からの取り組みとして、「ネームプレートの廃止」をしています。
今年度はここまで、出来る限り「本通り」に授業を進めてきたつもりです。言い換えれば「セオリー通り」という表現になるのでしょうか。しかし、それでは私の想定を超える動きや学びが生まれづらく、こちらが多分にコントロールしている、というような違和感がありました。
そこで、今学期からは「ネームプレートの廃止」をしてみました。これを実行してみて感じたことは、「こちら側の見取りと声かけの質を向上させなければならない」ということです。
ネームプレートがあるときは、授業が終わった段階で「全員達成できたか、そうでないか」がすぐに分かります。そして、授業中のそれぞれの進捗状況も分かるので、生徒自身がどう動けば良いのかが分かりやすいです。
しかし、ネームプレートが無いと、授業が終わっても「そもそも『全員達成』できたの?」という状態です。「何を持って『全員達成』なのか」ということを教員側が明確に持っていなければ、集団の目標を定めることができません。そのうえで、集団を的確に見取って、必要な声かけをしていかなければなりません。その声かけなども徐々に減らしていく必要がありますが、ネームプレートが無くなったことで生徒も困惑している部分があるので、最初は仕方がないかな、と思います。
ただし、ネームプレートを無くしたことによって、生徒たちは確実に成長すると思います。今日の授業でも、色々な生徒に「大丈夫?」とか「どんな感じ?」というような声をかけて周ってくれている生徒がいました。今日だけでも、周囲を見る力や、周りを気遣う力は確実に伸びていると思います。そういった生徒がどんどんと増えてくると、集団の力はもの凄いものになると思います。
私もさらに成長しなければならないと感じます。「共につくる『学び合い』」という私にとっての原点に立ち返って、色々なことを考えていきたいと思います。