共につくる『学び合い』

新潟の高校で世界史の『学び合い』に挑戦中!教員6年目。

「先生の夢は世界平和ですか!?」

 昨日の授業終了後に、質問しに来てくれた生徒がいました。昨日の授業では、太平天国の辺りを扱っていました。質問の内容は、「当初、太平天国に同情的であった諸外国は、北京条約で清朝に要求を飲ませると清朝援護に転じ、ウォードやゴードンの率いる常勝軍が清軍に協力した。」(山川出版社『詳説世界史B』より引用)という教科書の記述について、「なぜ太平天国に同情的だった諸外国が、太平天国を攻撃するようになったのか」ということについてでした。

 

 説明はかなり省略しますが、「諸外国は、北京条約を結んで様々な権利を清朝から得たから、清朝を倒すより、それまで応援していた太平天国を倒した方がお得って考えたからだよ」という感じで答えました。こうして考えてみると、諸外国はかなり自分勝手で都合が良いですよね。このような事例があると、決まって次の話をします。

 

 「『自分の国さえ良ければ、相手の国はどうなっても良い』と考えると、戦争とか起きちゃうよね。それは世界史を勉強してると明らかだよね。私たちはこのことから学ばなきゃいけないよね。これは国レベルだけど、自分の日常生活のレベルまで落として考えれば、『自分さえ良ければ、相手の人や周りの人はどうなっても良い』って考えると、人間関係悪くなっちゃうよね。だから『一人も見捨てない』って考えは大事なんだよ。歴史から学んで日常生活に生かすって、こういうことだと思うんだ。」

 

 細かいところはその時々で変わりますが、ニュアンスはこのような感じで上記の話をします。いつもはそれで終わりなんですが、今回は生徒から「先生の夢は世界平和ですか!?」と聞かれました。これには思わず笑ってしまいましたが、「一人も見捨てない」という考えが共有できたら、世界平和も達成できるのでしょうか?世界平和までは分かりませんが、少なくとも、子供たちの将来には繋がってくれるのだろうとは思います。今回質問に来てくれた生徒は、授業中の様子などを見ていると、「一人も見捨てないことは、自分にとって得だ」ということを掴みかけている生徒だと思います。今後に期待ですね。

 

追伸

 世界史で『学び合い』に取り組むことで、上記の質問のように、教科書の記述について疑問を持ち、より深くまで学び、その理由に気づく生徒が増えたと思います。私の講義形式の授業で説明を聞いただけでは、先ほどの質問は出てこないと思います。私一人の力では到達できない領域だと思います。「世界史を全員に分かってもらいたい。楽しいと思ってもらいたい。」と思って取り組み始めた『学び合い』ですが、今では「一人も見捨てない」ことにもこだわっています。