共につくる『学び合い』

新潟の高校で世界史の『学び合い』に挑戦中!教員6年目。

授業アンケートのまとめ

 ようやく少し時間が作れたので、今回の授業アンケートについてまとめていきたいと思います。

 

 

 今回の授業アンケートでは、『学び合い』の考え方による授業に対しての肯定的な意見も多くありました。

 

 「授業が講義型ではなくなって最初はどう行動すればいいか分からなかったけど、自分のやり方を見つけてからは、とても充実していました。分からない所をその場で質問できるし、友達とプリントを読んだり教え合ったりすることで復習の時に覚えている単語が講義型よりも全然多くて良かったです。」

 「はじめはこの授業スタイルに慣れない部分もあったけど、最終的には講義を聞いているより良いと思った。」

 「何か行動すると、少しのことでも褒めてくれたのが嬉しかったです。」

 「質問したとき、丁寧に答えてくれたので分かりやすかったです。」

 「言葉の意味を理解して覚えることが大切だと気づいた。」

 

 

 

 一方で、「生徒主体でやっていて不安」という声がいくつか見受けられました。

 

 「こんなにも覚えることや理解することがたくさんあるのに、アクティブ・ラーニングでやっていて、3年になってから大丈夫かな、と少し思った。」

 「教え合うことは大切だけど、いい授業であるとは言えないと思う。受験にも関わるし、範囲も膨大な量なので、バンバン先生が分かりやすく説明していく方が効率的で良いと思った。」

 「受験のとき、この方法だとみんな落ちやすくなりそう」

 

 

  

 一部抜粋して書きましたが、全体を見てみると、「授業の枠を超えて『学び合い』の良さを理解できる生徒」は全体の2割程度であることが実感できました。「『学び合い』の良さを理解できる生徒」は、授業アンケートでも書いてくれることが一味違います。しかし、全体の6割は「従来の授業・テスト」を前提として意見を書いている印象です。上記の「こんなにも覚えることや理解することがたくさんあるのに、アクティブ・ラーニングでやっていて、3年になってから大丈夫かな、と少し思った。」という意見などは、このことを如実に表していると思います。残りの2割の生徒は、批判的な意見を書いてくれていました。ここでも2・6・2の割合が当てはまると感じました。これは、『学び合い』を初めとするアクティブ・ラーニングに対する相性ではないかと思います。

 

 

 

 少し話は変わりますが、ある生徒が、次のように書いてくれました。

 

 「最先端の授業とても良いと思う。生徒が授業の意図を分かろうとしていないのが多数なので、そこを何とかするべきだと思う。」

 

 まさにこの生徒の言う通りですね。しかし、私一人でできることは限られていると思っています。今年度は「私から生徒へ意図を伝える」ということはやっていましたが、上記の生徒の意見や授業アンケートが示すように、全体の2割程度にしか伝わりませんでした。これ以上広めていくには、「生徒同士が意図を伝え合う」ことが必要だと思います。それができれば『学び合い』の考え方がさらに広まり、授業がより濃密になっていくのだと思います。今回の「生徒主体でやっていて不安」という声を改善していくには、この辺りが鍵になると思っています。

 

 今回のアンケートや今年度の実践を踏まえた上で、どのように来年度に生かすか。やるべきこと、やらなければならないことは多いですが、ある程度の道筋は見えています。「できることから一つずつ」やっていきたいと思います。