共につくる『学び合い』

新潟の高校で世界史の『学び合い』に挑戦中!教員6年目。

実感させる

『学び合い』の学校観である、「多様な人と関わり合いながら自らの課題を達成していく経験を通して、その有効性を実感し、より多くの人が自分の仲間であることを学ぶ場である」ということを生徒に実感させるとなると、ものすごく時間がかかります。何度も何度も諦めずに語りを繰り返し、語りが伝わる2割の生徒がたくさんのチャレンジを通して実感していき、それが周囲に広がる、という過程があるからだと思います。同じ語りを繰り返してもダメなので、手を替え品を替え、工夫しています。

 ここ最近は「コンセンサスゲーム」というものを扱ってみました。これは先日、本校でアクティブ・ラーニング研修会が開かれた際にお招きした、産業能率大学の小林先生からのアドバイスの中にありました。「コンセンサス」とは、「意見の一致。合意。」という意味です。今回のコンセンサスゲームは、「月で遭難したら」というシチュエーションのもと、300キロ離れた母船に帰るため、宇宙船に残された15品目の道具に優先順位をつける、というものです。まずは自分一人で考えます。その後、グループで意見を出し合って優先順位を決めます。この問題にはNASAが考えた模範解答があるので、それと比べて点数化し、成績をつけることができます。すると、7割くらいの生徒が、自分一人で考えたときよりも、グループで考えたときの方が成績が向上します。

 この経験が効くのか、その回の振り返りシートには、「みんなで意見を出し合うことの大切さを感じた」などと書いてくれる生徒がたくさんいました。やはり「身を持って実感する」ことは大切ですね。この経験が次回以降の授業で、さらには子どもたちの将来の幸せに繋がってくれたら最高ですね。