共につくる『学び合い』

新潟の高校で世界史の『学び合い』に挑戦中!教員6年目。

今までの経験にない

 最近、3年生の取り組み姿勢が良い感じです。終わりの時間が来ても、気になることを調べたり、議論したりしていて、学びが止まらないのです。これは、今までの私の経験では無かったことです。ここ数回は、「時間だからごめんね」と言って授業を終えています。

 

 

 以前から3年生は非常に良い雰囲気で学べていると感じていましたが、ICT機器を使用できるようにしてから、クラスの良さがさらに生かされている気がしています。自分たちのペースで学びつつも、必要に応じて協働も見られます。何より、楽しそうに学んでいる様子を見ているこちらも楽しくなってきます。

 

 

 現在の私の仕事は、彼らの学びを邪魔しないことだと思っています。声かけは必要最小限(何も言わないときもあります)にしていますし、「語り」もピンポイントで指摘して終えるようにしています。

 

 

 今後、おそらく私のほんの少しの気の緩みから、生徒たちの雰囲気が緩む場面があると思います。そのときにしっかりと気づいて、私自身が軌道修正することができるかどうかが、これからのキーポイントになると思います。しっかりと意識して臨んでいきたいと思います。

まだまだ到達できないが

 先日、「安心・安全の場では無い」という記事で、「介入」について書きました。この「介入」について、もう少し考えをまとめていきたいと思います。

 

 

tomonkey-521.hatenablog.com

 

 

 まず、私の教育観の一つに「トレードオフ」があります。

 

 あることに対して、教員がそれをやってしまうと生徒ができなくなり、生徒がそれをやってしまうと教員ができなくなる、というような相容れない部分があるという考えです。そのため、生徒のためを考えて良かれと思った行動が、実は生徒の成長するチャンスを奪っていることも多々あります。そこで私は、「それを教員がやるとどうなるか、生徒がやるとどうなるか」ということを常に考えながら行動するようにしています。

 

 その際の私の判断基準としては、「危険ではないか」、「生徒の成長する機会を奪っていないか」、「本当に教員でないとできないのか」というように、多面的に判断しています。

 

 また、バランスも意識しています。生徒に任せるにせよ、教員:生徒 = 0:10 ではなく、2:8 のように、生徒ができる範囲で任せるようにしています。(教員:生徒 = 0:10 では、いわゆる「放任」になってしまうのではないかと思っています。経験上、これだと色々と立ちいかなくなります。)

 

 

 ここで話を「介入」に戻しますが、先日述べた「介入」は、この比重をどうするか、という意味合いが大きいです。

 

 先日の記事に書いた「上手くいっていないクラス」での介入具合について、現在は「教員:生徒 = 9:1」くらいにしています。そこから徐々に「8:2」、「7:3」と比重を下げていきたいと考えています。これが先日の記事に書いた「徐々に手を離していくようなイメージ」になります。

 

 生徒たちが社会に出た際には、「教員」はいません。生徒たちが社会に出て「幸せ」に生きていくためには、彼らの力でお互いを支え合って物事を動かしたり、乗り切る経験を学校内で得ておくことが大切だと思います。だからこそ、教員の比重を限りなく「0」に近づけていくようにしていかなければならないと思っています。そして、限りなく「0」に近づけていくことができる「チーム」を作っていく必要があると思っています。

 

 現在の私ではまだまだ到達できていませんが、試行錯誤と努力を続けていきたいと思います。

あえて

 『学び合い』における課題設定のセオリーとして、上位2割の生徒が15分程度(授業時間の3分の1程度)で終わる量、というものがあります。しかし、ここ数回は、あえてこのセオリーよりも余裕をもって課題が終わるように量を調整し、全体も時間内に終われるようにしてみました。すると、ICT機器も自由に使って良いという環境にしていることも相まってか、私の想像していた以上の動きがそこら中で見られました。

 

 

 そんな彼らの様子を見ながら、これまでは「余裕」を持たせることを怖がっていたのかもしれない、ということに気づきました。「余裕」が生まれることは良いことですが、それを持て余してしまう場面や、そのまま脱線していってしまう場面をこれまでにたくさん見てきたからだと思います。いつの間にか、生徒たちを信用できていなかったのだな、と反省しました。

 

 

 生徒たちのモチベーションをきちんと持たせることができれば、生まれた「余裕」をより良い方向に生かしていけると思います。これまでの私は、それができていなかったのだと思います。

 

 

 しかし、今回のことで安心してしまうと、すぐに集団がダレていってしまいます。集団のモチベーションをさらに向上させ、「全員がハッピーになる集団」を形成していくためには、どのようなことができるのか。この点をもっともっと追究していかなければいけないのだと、改めて感じました。

安心・安全の場では無い

 生徒の主体性を生かした授業を進めていく上で、「その空間が『安心・安全の場』であるか」ということは非常に重要であると感じています。

 

 今年度は、あるクラスだけが全く上手くいかない状況です。他のクラスと同じ熱量で語っても、全く入っていきません。「分からなければ周りの人と話してもいいよ」と言っても全く相談しようともしません。

 

 なぜなのか理由が気になって、そのクラスの生徒たちに授業以外での色んな場面で理由を聞いてみました。すると、「『相談していいよ』と言われても、話しづらい雰囲気がある」・「頭の良い人は一人でやりたがっている雰囲気がある」など、生徒たちにとっては授業中に「安心・安全の場」では無いことが分かりました。

 

 

 こういった場合は、こちらの介入がある程度は必要だと考えています。どの程度介入するかは、「こちらの介入によって『安心・安全の場』が形成できるまで」だと考えています。「はい、どうぞ」で動けないのであれば、ある程度流れを作ってあげたり、誰と話していいか分からないという生徒が多いのであれば、こちらでペアやグループを作ってあげる、などです。そうした中で、「いいね!」といった肯定的なメッセージを伝え、生徒たちの間で「安心・安全の場」を形成できるように手助けをしていくことが必要なのだと思います。

 

 

 少しずつ手を離していくようなイメージ、と言えば良いでしょうか?

 

 

 上手くいっていないクラスでは、ここまで私も意地になって介入することを避けていましたが、ここ数日で、私が「折り合い」をつけていかなければいけないのだと気づくことができました。

 

 明日からまた頑張りたいと思います。

どんどん先へ

 今日は、「新しい知識に触れたり、新しい刺激を入れることは大切だな」と改めて感じる機会がありました。最近は正直いっぱいいっぱいなので、新しい知識に触れたりする機会を設けることができていません。そのような中での今日の出来事だったので、尚更だったのかもしれません。

 

 

 何も考えずに惰性で日々を過ごすのと、あらゆることについて考え抜いて日々を過ごすのでは、数年後、数十年後は全く違う境地に居るのだろうな、と感じています。私自身は後者であり、どんどん先に進んでいける人でありたいと思っています。

 

 

 有言実行できるように、これからの日々を一生懸命生きていく必要がありますね。

不満と向き合う

 テストが終わったところで、授業アンケートをとっています。これまでの授業の進め方や、指示の出し方、課題の在り方などについて、私自身の目だけではなく、生徒の目線から意見や改善策をもらい、さらに授業をブラッシュアップしていくために行っています。

 

 

 今回の授業アンケートでは、生徒たちからの意見は、概ね高評価なものが多いです。しかし、人と関わることが苦手な生徒や、オーソドックスな講義形式の授業の方が合っている生徒からしてみれば、上手くフィットしない部分があり、不満も出てきます。それは当然だと思います。

 

 こうした不満をスルーすることは簡単です。ですが、そうした不満にきちんと向き合い、「折り合いをつける」というあえて難しい方向に進んでいくことが大切だと思っています。そして、折り合いをつけるためには、私だけでなく、クラスの生徒たちの協力が必要です。

 

 内容にもよりますが、私は「こんな意見があったよ」と名前は伏せた上で紹介することもあります。生徒たちと「課題」を共有し、その解決に向けて一緒に努力していかなければならないと考えているからです。

 

 今回のアンケートでも、様々な不満や「課題」が出てきました。これらをどのように解消していくかは、これから生徒たちと一緒に考えていきたいと思います。

相手目線

かなり久々の更新になってしまいました。
新年度が始まり、連日の持ち帰り仕事が続き、帰宅後には毎日2時間ほど授業準備に追われる日々でした。
正直疲労困憊で、ブログを更新する余裕は無く、何とかこの2ヶ月を切り抜けてきたという感じです。


現在は、テスト返却を行っているところです。やっと一段落ついたので、久しぶりにブログを書こうという気持ちになれました。



さて、いきなりですが、今年度は「相手目線」が自分のテーマの1つにあります。

これまでの私は、「語り」などで自分の考えや想いを生徒に向けて伝えるようにしていましたが、それが本当に「相手が必要としていること」なのか、ということに関してはあまり考えていませんでした。

そのため、生徒のモチベーションを上手く引き出せないまでか、モチベーションを奪ってしまっていたことも多分にあったと思います。


今年度は今まで以上に生徒たちの様子を観察し、「相手目線」に立った上でニーズを見極めて、こちらの考えや想いを伝えるように心掛けています。